このページでは、契約書の作成についてご説明いたします。
契約書作成について
契約書を作成するとなったときにまず考えるのが、契約書のひな形を探すということではないでしょうか。確かに借用書などの簡単な書面であればひな形で対応できるという場合もあるでしょうが(もちろん借用書でも最低限書いていただきたい事項はございます)、企業間の契約のような場合は、個別案件に応じた内容にする必要があり、ひな形ではとても対応できません。
契約書を作成する場合は、契約の形態によって盛り込む内容が異なって参ります。
契約書作成時のポイント①
業務提携契約書
例えば、業務委託契約であれば、業務の目的、業務内容、業務の指示・報告、再委託、納入、報酬、秘密保持等、様々な規定を設けることが必要になって参ります。
業務委託契約については、法的性質から考えると、仕事の完成を約束させるもの(請負型)と、事務処理を委託するもの(委任型)に分けられますので、その点も考慮しながら作成していくことになります。秘密保持については業務委託契約の締結前に秘密保持契約書(NDA)を取り交わすこともあるでしょう。
売買契約
売買契約を作成する場合は、売買の対象となる商品の特定、納品、検収、代金の支払時期、危険負担、契約不適合責任等の規定を設けることになるでしょう。一回限りの取引ではなく、継続的な売買をすることも多いので、そのような場合は取引基本契約書を作成することがあります。
取引基本契約書
取引基本契約書を作成する場合は、個別契約との関係についても取り決める必要があります。さらに、制作物供給契約のように、売買契約に他の契約類型を組み合わせた複合的な契約書を作成することもあります。売買契約の場合も、取引の実態に合わせたものにする必要があることは言うまでもありません。
不動産売買契約
不動産売買契約の場合は、境界の明示、売買対象面積、所有権移転時期、抵当権等の負担の消除、公租公課等の負担等の規定についても設けることになるでしょう。物件によっては土壌汚染が問題になることもあるので、その場合は土壌汚染が発見された場合の規定も設けることになります。
このように契約類型に応じて盛り込むべきポイントというものがございますので、契約書を作成する場合は、この点を意識することが大切です。
契約書作成時のポイント②
また、契約書を作成する場合、契約書の形式面にも配慮する必要があります。契約書に記載された日にその契約書が作成されたか否かを巡って争いになることもあるので、そのような場合に備えて確定日付を取ることもあります。
確定日付は公証人に依頼するものであり、公証人が契約書に確定日付の印をすることによって、その契約書がその確定日付において存在したことを証明することができます。
契約書の証明力を高めたい場合は、契約書を公正証書にすることも考える必要があります。公正証書にしておけば、後で取引相手がこのような契約書を作成した覚えはないと言い逃れをすることはできなくなります。
また、金銭消費貸借契約公正証書において債務者が強制執行を受けても異議がない旨の文言(強制執行認諾文言)を入れておけば、いざ債務者が弁済を怠った場合、直ちに強制執行することができるというメリットもあります。
その他、契約書の中には、印紙税法により課税対象となるものもありますので、対象の契約に応じた印紙を契約書に貼り消印をする必要があります。
契約書については、型式面・内容面共に整ったものにする必要がありますので、契約書の作成に精通した弁護士に相談し、トラブルが起きないように進めたいものです。