契約書のリーガルチェック

取引相手と契約書を取り交わすときに、果たしてその契約書の内容が自分に不利な内容になっていないか、思わぬ不利益を与える内容になっていないか、といった点は一番気になるポイントかと思います。

そのような契約書に対する不安を解消させるためには、弁護士に相談してリーガルチェックを受けることになります。リーガルチェックとは、契約書の法的な問題点やリスク、妥当性等を弁護士等の法律の専門家が確認・点検するものと言って良いでしょう。

リーガルチェックによるメリット

リーガルチェックによるメリットとしては、トラブルの回避、取引先に対する信用性の向上、従業員の負担軽減、などがあります。

トラブルの回避

まず、契約書のリーガルチェックのメリットは、何といっても事後的なトラブル回避です。

契約書を作成した直後にトラブルが起きることは少ないですが、契約の履行期になって、代金が支払われない、仕事が完成していない、といったトラブルが往々にして生じます。

このような場合の取り扱いを契約書で定めておかないと、自己に有利な方向で解決することができない(法律の一般原則どおりの解決となる)場合も生じます。

せっかく契約書を取り交わすのですから、トラブルが起きたときに備えて自己に損のないように規定を盛り込んでおきたいところです。また、そうしておかないと、従業員の士気に影響するおそれもないとは限りません。

取引先に対する信用性の向上

また、取引相手と契約書を取り交わす際、顧問弁護士に契約書のリーガルチェックをお願いするので検討時間が欲しいと伝えれば、取引相手としては、この企業には顧問弁護士がいるのか、そうであればうかつなことはできないな、と牽制させることもできるでしょう。

顧問弁護士の存在を示すことにより取引先に対する信用性が向上するといえますし、自然と自己防衛をすることもできるでしょう。

従業員の負担軽減

さらに、トラブルが発生すると、それに人員を充てることを余儀なくされます。トラブル処理はどうしてもストレスがかかる仕事ですし、従業員としてもあまり扱いたくない仕事なのではないでしょうか。トラブル処理ではなく、成果が感じられる仕事に取り組んでいただいた方が労使ともに幸せといえるでしょう。

ですので、従業員の負担軽減のためにも、事前に契約書のリーガルチェックを行い、トラブルの芽をできる限りなくしておくことが肝要です。

弁護士と顧問契約を締結するメリット

といっても、取引には迅速性も必要です。リーガルチェックに時間がかかって取引相手との契約締結が遅くなってしまっては、場合によっては契約が流れてしまうことにもなりかねません。いざリーガルチェックをお願いしようと考えて弁護士を探しても、弁護士との相談・受任までに時間がかかることもあり、タイムロスになってしまいます。

したがって、弁護士と顧問契約を締結しておくことにより、いざリーガルチェックが必要になったときに速やかに弁護士に依頼することができます。

顧問弁護士とは相性もあります。いざ依頼したものの、弁護士のレスポンスが悪かった、弁護士の回答がしっくりこなかったといったこともあり得ます。

また、顧問料についてはタイムチャージ方式(1時間ごとの単価を決め、それに執務時間を乗じた金額を支払う方式)を採用している事務所もありますが、タイムチャージで予想外の金額を請求されたということも考えられます。トラブル回避のために弁護士に依頼したのに、弁護士との間でトラブルになってしまっては本末転倒です。

弁護士とはある程度継続的な期間お付き合いすることになりますので、普段から顧問弁護士との接点を増やし、顧問弁護士との相互理解を深めておくことが必要です。ですので、いざトラブルに直面したときに弁護士を探すのではなく、普段から弁護士との繋がりを深めておくことが大切といえるでしょう。

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