法的なトラブルが発生した場合、まずは任意の話し合いで解決を図ることを検討しますが、話し合いで解決できない場合は法的手続に移行します。
例えば、売掛金の回収であれば売買代金請求、マンションの明渡であれば建物明渡請求、といったように、紛争類型ごとに法的手続を取っていくことになります。
基本的には民事訴訟の手続を取ることになりますが、紛争の内容に応じて調停申立てをしたり、少額訴訟、支払督促等の別の法的手続を取ることもあります。
民事訴訟の流れ
民事訴訟においては、証拠に基づいて裁判所が判断することになりますので、訴訟で勝てるだけの証拠が揃っているかを検討することが必要になるでしょう。
民事訴訟においては契約書などの証拠書類が揃っているかが問われますので、契約書、合意書、請求書等の書面を準備したり、メールのやり取りが多いようであれば、証拠となるメールを精査したりします。あのとき相手方がああ言っていた、いや言っていないと主張しても、水掛け論になってしまいます。
また、民事訴訟においては、いわゆる要件事実に沿った主張をしていくことが必要になります。この要件事実を意識せずむやみやたらに周辺事情の主張をしても、裁判所は審理の対象にしません。この要件事実というのはかなり専門的な事項になってきます。
訴訟の際の注意点
訴訟ではお互いに言い分があり、白黒をはっきり判断するのが難しい場合もあります。判決で一刀両断されると双方にとってメリットがないこともありますので、和解で柔軟な解決をすることも多いです。
ですので、事案に応じて和解の話し合いをするタイミングや、どのあたりを落としどころとして探っていくかを考える場面も出てきます。
さらに、訴訟提起して判決が出るまでには時間がかかります。貸金請求や売買代金請求などにおいては、判決が出るのを待っていては債務者の資産が散逸してしまう場合もあります。そのような場合は仮差押の手続を取って債務者の資産を押さえておくことも考える場合が出てきます。
弁護士に依頼するメリット
このように、訴訟提起をする場合には、証拠関係や将来の強制執行までも見据えて様々な事項を検討する必要が出てきます。様々な事項を総合的に検討してベストの対応を見出していくのは一般の方には容易ではなく、法律の専門家である弁護士の出番となります。
また、訴訟においては、準備書面、書証の出し方、書式などが決められておりますので、そのような事務的な作業も弁護士に依頼することで負担軽減となります。遠方の裁判所で訴訟を行う場合は、裁判所への出席だけで1日費やしてしまうということもありますが、それも弁護士に依頼することで負担軽減となります。
訴訟対応が必要になった場合は早めに弁護士にご相談ください
したがいまして、訴訟対応が必要になったときは、早めに弁護士に相談することが望ましいといえるでしょう。第一審で敗訴判決となり、控訴審から弁護士に依頼したいというご相談もありますが、基本的に第一審で十分な審理がなされているので、控訴審で結論をひっくり返すというのは容易ではありません。
第一審で十分な主張立証活動ができていなかったとしても、控訴審で十分な時間が与えられるわけではありませんので(控訴審は第一回期日で弁論終結となり、後は和解の話ができるかといった処理がされることが多いように思われます)、第一審から弁護士が入ることをお勧めします。法的紛争も病気と同じように、早期発見・早期治療が必要といえるでしょう。
個別の事案に応じて訴訟対応の内容が異なってくる場合もありますので、もし現在紛争を抱えていて法的手続も考えているという方は、早めにご相談ください。